ジョンクェルコンサルティング [Jonquil Consulting Inc.] ジョンクェルコンサルティング [Jonquil Consulting Inc.]

新製品開発成功のカギ ”技術力だけでは勝てる・勝てない時代”

 現在の新製品開発では、市場の複雑化と製品寿命の短命化などが重なり、技術力だけでは勝てない状況になっているといえます。特に、IT化が進む中での技術は、① 新製品のデータ、科学的発見、発明、革新的な試作品は国境を越えて簡単に拡散する、② あらゆる国に技術がある、③ 技術が複雑化し、膨大な生産システムを必要とするなど、技術を取り巻く環境に大きな変化をきたしています。
 こうした技術的な背景に加えて、経営的側面、例えば中・長期的な成果を待てない、迅速な経営判断の情報が得にくい、革新的コンセプトの保有だけでは製品化が難しい時代、などの要因から経営の舵取りが長期から短期へと移行しています。このような市場と技術の状況から、経営者は長期的、中期的視野での経営判断をきらい、目先の開発に向けて研究の目的を絞ろうとしています。この結果、技術開発を新製品に連動させるために、スピード力がどうしても必要となり、さらにスピード力に加えてコスト力、品質力、製品の開発力が重要となる。これらを総合しますと、技術力だけでは勝てる・勝てない時代になったと言えるでしょう。その解決策として、 コアビジョンと事業戦略 の再構築が重要になります。
 新製品・新事業戦略の基盤は、経営者の経営ビジョン、事業ビジョンにあることは周知の通りです。どんな経営者でも、なんらかのビジョンをもち、現実との対応につとめていることは間違いありません。ビジョンには、完全な変革を要求するものもあれば、変化をできるだけ押さえようとするものもあります。たとえば、本業という枠にとじこもらず、合併・買収によって和製コングロマリット展開を行い、見事に成功した企業もあります。経営ビジョンの策定は、企業の体質・特徴を明確にしつつ、「今後どうなりたいか」を方向づけることが肝要です。経営ビジョンを明確にすることにより、新製品・新事業戦略の成功率を高めることができることは言うまでもありません。達成不可能な夢物語を追求してもムダです。こうしたことから、幅広く包含した経営ビジョンを具体的な形にするために、コアとなるものを最初に整理、もしくは作ることが重要なことになるでしょう。これをコアビジョンと呼び、コアビジョンが形成されないと事業戦略を構築することができないはずです。もう少し詳しくコアビジョンについて語りますと、コアビジョンは新製品戦略の骨格となり、企業が目指す目標や達成方法、成功要因などを具体的に示すことです。ただ、ビジョンの中には、トンネルビジョン、盲目的ビジョン、先見性の欠如、幻影などがありますので、気を付けることが肝要と思います。

落合以臣

1952年10月(生) 東京都出身、英国ウェールズ大学大学院修了
役職 株式会社ジョンクェルコンサルティング 代表取締役
講師歴任 早稲田大学 社会科学総合学術院招聘講師
顧問歴任 岩手県陸前高田市 環境浄化顧問、日本テトラポッド株式会社 技術顧問

1975年大手プラントメーカー千代田化工建設株式会社に入社。海外および国内の大型エネルギープラントの設計・建設に従事。1990年退社、1990年6月株式会社ジョンクェルコンサルティングを設立、現在に至る。現在では、建設案件に対応した競争入札の急所から試運転までの効率化を目指したプロジェクトマネジメントの導入、製品開発の可視化・定量化の指導、トレンド予測による製品テーマの創造、環境技術に関する開発などを実践している。

所属学会
日本経営システム学会会員
米国リスクマネジメント協会会員

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