新製品開発成功のカギ “三人寄れば文殊の知恵となる方法”
開発途中で大きなリスクが発生して困っているときに、「解決策は見当たらないと諦めないで、三人寄れば文殊の知恵という諺のように、開発者を集めて話し合って知恵を出そうではないか」という言い方を、開発現場でよく耳にします。この諺のいわれは、「文殊」とは知恵をつかさどる菩薩のことで、凡人でも三人で集まって相談すれば、文殊に劣らないほどよい知恵が出るものだということだそうです。しかしながら、三人のバカが寄ってもバカはバカなので、いくら人を集めて話し合っても解決策を見出すことは難しいと言えます。
そこで重要なことは、開発当初からプロジェクト遂行の三大要素と言われます工程管理、品質管理、原価管理の適任者を配置することが肝要です。小規模な開発では、開発者の人数も限られていますので、専任者を置くことは難しいでしょう。この場合、開発者ひとりひとりが工程・品質・原価を意識した開発計画を作成し、実施して行く過程で工程・品質・原価を心に収めて置けば、常に自身に問いかけすることができるはずです。この行為を繰り返すうちに、フィードバック現象が成立し強い自分が形成され、いざというときに、三人寄れば文殊の知恵となるわけです。