新製品・新事業テーマの創出 “流行の先駆者の創出(ロートル化した鯛よりも小さくても新鮮なイワシ)”
多くの企業から、新規事業構築に取り組むにあたって、
・醸成されている市場への進出を計画しているが、既に他社企業が存在している
・技術力はあるが、技術を新事業開発に上手く結びつけられていない
・現在の製品、技術では自社の優位性を前面に出し難い
・検討はしているものの、魅力的なビジネスモデルに仕上がっていない
など、多くの声を聞きます。また、すでに成熟化した社会に中で、競合他社から一歩抜け出し、次世代の事業の柱となる新規事業を立案するためには、「有望市場」、「強みのある技術」に加えて新たなビジネスモデルの構築が競争力を左右する必須の条件となっています。言い換えますと、今までのビジネスモデルをトレンド予測によって新たなビジネスモデルと置き換え、次世代の成長カーブを創造していくことが求められています。
これを達成するためには、開発部門の再構築が必須になります。5年先のトレンド予測から世の中の動向を把握し、必要となる要素技術への可視化・定量化そこから本当に必要となる技術を抽出して開発のスケジュール化を行う。この役割を担う人をトレンドセッターと名付けました。トレンドセッターが中心となって開発テーマを創出すれば、開発部門も今まで以上に活気を帯びて、開発すべき内容の可視化・定量的リスク評価を早い時期に励行できると思われます。
トレンドセッター(trendsetter) という英語を手元の辞書で引きますと「新しい流行を作り出す人」といった説明的な訳しか見当たらなかったのですが、これではどうも収まりが悪いので、インターネットでこれに近い日本語を検索してみました。「流行仕掛け人」や「流行の火付け役」という言葉もそれに近い意味で使われているようですが、これらには作為的に流行を生み出す、たとえばマーケティング担当者や広告業界の人という意味合いを感じます。あまり色のついていない言葉として、「流行の先駆者」を採用しました。つまり、感性豊かで時代の趨勢をいち早く見抜き、一般に流行する前に取り入れる人ともいえるでしょうか。過去の成功体験を引きずるような”ロートル化した鯛よりも小さくても新鮮なイワシ”の方が役に立つと思われます。