新製品・新事業テーマの創出 ”技術と市場”
新規テーマの位置づけ
製品開発における新規テーマ創出の考え方について、簡略化して述べたいと思います。下図は、新規テーマの位置づけを技術と市場との関連から表したものです。横軸に既存市場から新市場へ、縦軸に現在保有する技術から将来有望な技術への発展を示し、第Ⅰ象限を未来開拓型製品、Ⅱ象限を産業高度型製品、Ⅲ象限を改善・改良型製品、Ⅳ象限を機能創出型製品と名付けています。ほとんどの企業では、Ⅲ象限を中心に売上げの95%を確保していると言っても過言ではないでしょう。
Only Oneの技術と市場
ところが、現代のように社会構造が複雑化している状況下では、改善・改良型製品では大きな市場拡大を望むことが難しいので、Ⅱ象限、Ⅳ象限へと領域を広げている企業が多いと言えます。Ⅰ象限は技術、市場ともに未知な部分が多いので、どうしても敬遠されがちです。また、この領域を支える技術にはOnly Oneとなるものが必要となります。Only Oneを目指す技術は、匠の技をコア技術とし製品及び製造ノウ・ハウをブラックボックス化することによって、市場を長く占有できると言われていますが、売上の5%にも満たないし技術開発の難易度も高く市場も未踏の地を歩むことになります。しかしながら、企業というより我々が住む日本にとって必要なことは、新たな世界へ挑戦していく強い姿勢を今一度持つことが、世界から期待されているではないでしょうか。