新製品・新事業テーマの創出 “製品価値の限界を超えたテーマ創造”
世界基準の崩壊
半世紀にわたって作り上げてきた経済、政治、民族などの枠組みが、2015年頃から徐々に崩れ始め、2016年の米国大統領選を境に、秩序のタガが外れ一機に崩壊への道を突き進んでいると言っても過言ではないでしょう。人間という生き物は自分勝手なもので、秩序がないときは、資本主義を主張しながら平等ということを大義名分にして世界基準を造り、その世界基準という傘の下で、要領よく儲けている国があれば、それは不公平だと言い、また、そんな不公平な世界基準は壊してしまえばいいという状況に差し掛かっていると思われます。しかしながら、乱暴は言い方ではありますが、世界基準を順守してきた国でさえ、自国のみの利益を優先し、世界基準を守らない国と結託して、漁夫の利を得てきたことも事実でしょう。この行いの結果、世界基準を守らない国の覇権を許しまったと言えます。
製品価値の崩壊
こうしたことに鑑みた場合、新製品・新事業も同様な仕組みが崩れようとしています。我が国の製品造りは、大量生産から脱却し消費者ニーズに沿った開発を2010年以降から行ってきたと言えます。しかしながら、価格については高品質であっても低価格という認識を拭い去ることができず、これでは到底BRICS諸国に太刀打ちできる状況ではないと言えます。なぜならば、生産する物量が桁違いであるからです。この物量によって、製造単価も大きく違うために、製造原価もかなり低めに設定できます。製品の核となる技術に大きな差があれば、製造単価が多少高くても売れるでしょうが、差がなくなってくれば、自ずと製造単価が低い方へと人心は引きずられるでしょう。我が国は、まさにこの状況に置かれているわけです。この状態を製品価値の限界と位置付けたわけです。
改善のためのテーマ創造
こうした状況を打破して、製品価値の限界を超え新たな新製品の世界市場を造り、人々を牽引していくためには、「まかいもの」ではない新たなテーマの創造であると言えます。それは、10年先をニュートラルな視点で明確な世情を把握し、そこから開発テーマを創造することです。ここ10年基礎研究を諦めた企業も多く存在します。今一度、テーマ創造と合わせた基礎研究を開始することが期待されます。