新製品・新事業テーマの創出 ”テーマ創造と核となる技術の見極め”
ネットビジネスの台頭と新製品開発
ネットビジネスの台頭によって、新製品開発の考え方も大きく変わってきたと言えます。特に、新型コロナウイルスの影響が、その変貌に拍車をかけたとも言えるでしょう。また、在宅勤務が定着しつつある中で、ノート型PC、スマホを通して良いか悪いかは別にして、キーワードさえ与えれば、世界の情報を瞬く間に見ることができます。その一瞬の情報が新製品開発のテーマになると錯覚し、そこにもっともらしい理屈を付けたし、あたかも大変な労力をかけて、新製品開発のテーマを創造したと見せかける開発エンジニアが多くなりました。
テーマ創造と核となる技術の見極め
こうした状況の中で作り出された製品は、どれほどの価値を持つのでしょうか。数年前のことですが、大手アルコール飲料企業である某社は、テーマ創造を諦め、広告宣伝会社が提供してくる1年先ぐらいの嗜好的な情報をテーマとして、それを製品(商品)化して販売し続けていたことを思い出します。その結果、企業の業績は低迷し瀕死になりかけたその時に、本来のテーマ創造の重要性を再認識せざるを得なかったと言えます。なぜかと言いますと、創造したテーマを製品化するためには、それを担保する核となる技術が必要不可欠だからです。
核となる技術は、長い月日を通して築き上げていくものなので、それを継続させるための動機づけが重要な要素になります。言い換えますと、テーマ創造は挫折を乗越え核となる技術を作り上げていくための”心の支え”になると言えます。