グリーンリカバリー技術 ”脱炭素化とCO削減の行方”
キャッチフレーズとしての脱炭素化
今年の3月頃までは、どこの企業も脱炭素・脱炭素、そのためには水素が一番であると声高々にアピールしていました。しかしながら、決算時期の5月にさしかかりますと、脱炭素化というキャッチフレーズの声は、一段と低くなったと言えます。おそらく決算説明会が無事終了し、7月頃から再び脱炭素化の叫びがあちらこちらで、聞こえるようになるのではないかと思われます。
こうした状況は、脱炭素化ということだけでなく、過去にも同様な現象が起きてたはずです。しかしながら、脱炭素化はまったなしの状況下にあって、プロパガンダではもはや通じない世界環境になっているといえます。水素は、確かにクリーンを構成する代表的な物質であることは間違いありません。一方では、高価という領域を大きく超えるとも言われています。ただ、長い年月を経て人類そのものが吐き出してきた二酸化炭素というゴミを処理するにあたって、それなりの対価を支払うことは、当然といえば当然なことかも知れません。
脱炭素化とCO2削減の行方
こうした状況に鑑みた場合、そうは言っても採算性を度外視することは、現代社会において、あるいは企業運営においてもできない相談になってしまうと思われます。したがって、重要なことは採算性を見極めたうえでの二酸化炭素の削減方法を見出さないと、本当の脱炭素化への道を進むことができないのではないかと思う次第です。
とかく我々日本人は、複雑化した技術を好み、単純な技術を敬遠する習性があります。それは、複雑であればあるほど高貴人である・高価なものであるという、一種の特権階級的な意識を持ち続けているからといえます。脱炭素化を本当に進めるためには、そうしたタガをはずすことから始めることが必要とあると思います。そのためには、脱炭素化でいえば技術の基本的な構成を精査しつつ、脱炭素という大局、いわば技術と脱炭素化の両輪として見て行くことが重要であると思います。