グリーンリカバリー技術 ”CO2削減量とモニタリングによる証明(その2)”
人類創世からのひずみ
日毎に増す異常気象は、いつの間にか人間生活に溶け込んできたように思います。人間は、逆境に遭遇しますと、その逆境を克服するために、英知を結集して事にあたり、その行為が新たな技術を発明し、次の世代につなげてきたわけです。しかしながら、環境といういわば人類創生の傍ら、ひずみとして蓄えられてきた存在が、すでに”ひずみ”では処理できないような状況になってきたと言えます。一方では、こうした”ひずみ”を少しでも削減させるために、粛々と解決方法を見出してきた研究者、技術者、企業なども多く存在します。
今、一番大切なことは、2030年、2050年、2070年に向けた環境保存のシナリオを立案し語ることではなく、現にあるCO2をどのような技術をもって、具体的に削減するのかという、現実的な対応策であり、それをモニタリングによって、どのように証明していくのかということではないでしょうか。
CO2削減量とモニタリングによる証明
CO2の排出源は、エネルギー源によって異なることは周知の通りです。それと同じように、火力発電所であれば、設備のどの箇所でのCO2の排出量を把握すれば、排出削減量を証明できるのだろうかという、単純な疑問に遭遇します。他の排出源についても同様なことが言えます。今までに、モニタリングによる証明と一口で申し上げてきましたが、そう簡単に解決できる方法はありません。
言い換えますと、CO2削減と表裏一体を成す証明という言葉は、CO2削減のための技術を開発するほどの重みを背負っていると言えます。つまり、CO2の排出量を把握するという意味は、人類創世からの”あく”を取除くという言葉に置き換えた方が、より現実的であると思います。