基金と二酸化炭素の排出

　第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議（COP28）が、2023年11月30日から12月12日までの予定で、アラブ首長国連邦（UAE）で開催されました。早速、 気候変動で生じた被害に充てる基金を正式に採択したとの朗報が映し出されました。この基金は、気候危機で最も大きな損害を被った国々の救済に向けて、巨額の資金を拠出することを複数の国が約束したとのことです。協議初日での採択で、化石燃料の削減といった難しい問題の議論により多くの時間が割けるようになったと報じています。
　しかしながら、 「最も大きな損害を被った国々の救済 」とありますが、発展途上国では相変わらず二酸化炭素を何の制約も受けず大気放出しております。特に、発展途上国の大国になった中国は、最大の二酸化炭素排出国と言っても過言ではないでしょう。

脱炭素化とCOP28

　こうしたことに鑑みますと、本来のCOPの大義である地球の温暖化を防ぐために、各国が協力して種々な規制を設け、それを遵守するということから、いつの間にか目的が集金に換わってしまったと言えます。誠に残念なことです。
　では、なぜこのような状況に陥るのでしょうか。それは、ひとえに「環境を餌に商売をする」一種の付入り商法とでも言いましょうか、そこから足を抜けない仕組みなってしまったと言えます。では、どうしてそのような仕組みになってしまったのでしょうか。それは、脱炭素化を推進するために、採算性に沿った本当の技術が見つからないからと言っても過言ではないでしょう。
　もし、本当に二酸化炭素を消失させる技術が表出されたら、世の中が変わり、そしてCOPの立ち位置も大きく変貌すると思われます。