グリーンリカバリー技術 ”脱炭素化の形骸化”

 脱炭素化というワードが発せられてから、おおよそ20年の歳月が経過したように思います。幾多の世界経済の混乱を超えながら、脱炭素化というワードそのものは変わりなく、脱炭素化は脱炭素化として生き続けています。しかしながら、そのワードを支える確固たる技術が未だに存在しないという、まさに嘆かわしい現状でもあります。
 我が国においては、経産省、NEDOをはじめとして、多くの研究助成金を搬出しております。しかしながら、その大半は脱炭素化を支える技術に貢献していないというのが現実です。その背景には、優れた研究者が育たない、あるいはもともと頭の良い人がいなくなったと言っても過言ではないかもしれません。嘆かわしいことです。
 
 こうしたことに鑑みますと、頭の良い人育てる、言い方を変えますと、地頭(じあたま)の良い人を育てると言いますより発見することの方が適切かも知れません。翻って見ますと、地頭の良い人は1000人に一人、いや10万人に一人かも知れません。しかしながら、その無限分の一の確率の推敲の中で、脱炭素化を支える確固たる技術が生まれるのかも知れません。

落合以臣

1952年10月(生) 東京都出身、英国ウェールズ大学大学院修了<br> 役職 株式会社ジョンクェルコンサルティング 代表取締役<br> 講師歴任 早稲田大学 社会科学総合学術院招聘講師<br> 顧問歴任 岩手県陸前高田市 環境浄化顧問、日本テトラポッド株式会社 技術顧問<br> <br> 1975年大手プラントメーカー千代田化工建設株式会社に入社。海外および国内の大型エネルギープラントの設計・建設に従事。1990年退社、1990年6月株式会社ジョンクェルコンサルティングを設立、現在に至る。現在では、建設案件に対応した競争入札の急所から試運転までの効率化を目指したプロジェクトマネジメントの導入、製品開発の可視化・定量化の指導、トレンド予測による製品テーマの創造、環境技術に関する開発などを実践している。<br> <br> 所属学会<br> 日本経営システム学会会員<br> 米国リスクマネジメント協会会員