グリーンリカバリー技術 ”米国における脱炭素化と洋上風力発電事業の後退”
第二次トランプ大統領の誕生と同時に、あっという間に洋上風力発電の後退が、堰を切ったように蔓延したように思えます。約5年前に遡って見ますと、かつてのオバマ政権で、洋上風力発電が励行され、その政策によって米国最大エネルギー企業であるエクソンモービル社が巨大な投資を行いました。オバマ政権からヒラリー女史へと政権が引継がれればよかったのでしょが、第1次トランプ大統領の誕生によって、脱炭素化の補助金が抑制されたために、エクソンモービル社は、約8000億円という巨額な減損を余儀なくされました。
こうした事情を鑑みますと、到底洋上風力発電の大規模な投資を控えるのが順当を思いますが、我が国はEUの巧みな罠にはめられて、あえて洋上風力発電事業にこそって投資をし続けています。しかしながら、ここにきて洋上風力発電事業に対して、三菱商事、中部電力が減損を強いられ、まさしく洋上風力発電事業の後退といえる出来事が、我が国にも起きた訳です。
本来ならば、かつのエクソンモービル社の巨額な減損の経験を生かせば、そのような状態には至らなかったはずですが、企業のリスク管理の甘さが、そうした事態を招いたと言わざるをえません。今後は、EUの口車に乗せられることのない政策をしていかないと、いつまでたっても我が国は、EUから懐を当てにされれ続けるでしょう。