グリーンイノベーション ”半導体の熱問題を、「材料」ではなく「時間軸」から考える”
AI半導体の高性能化が進むほど、避けて通れない問題があります。それは「熱」です。しかしながら私は、この問題を単純に「より熱伝導率の高い材料を使えばよい」とは考えていません。重要なのは、発生した熱を、どこへ、どの界面を通して、どのタイミングで逃がすのか。という「熱移動の設計」ではないでしょうか。
先端半導体パッケージでは、チップとヒートスプレッダ、ヒートシンクなどの間に存在する微細な界面そのものが熱移動を左右します。実際にTIMには、表面の微細な凹凸を埋めて接触熱抵抗を低減することと、高い熱伝導性の双方が求められています。
ここに、私がCNP(Carbon Nexus Process)由来の準グラフェンに可能性を感じている理由があります。目指したいのは、単に「高熱伝導材料を入れる」ことではありません。準グラフェンの配置、界面、熱の流れる方向を設計し、さらに時間軸を加える。つまり、「熱を伝える材料」から「熱の流れを設計する材料」へ。この発想です。3D化が進めば、熱源はより立体的になり、内部の熱を外部へ逃がす経路も複雑になります。3Dパッケージでは局所的なホットスポットが性能低下や信頼性上の問題につながり得ることが指摘されています。
だからこそ、次の半導体材料に求められるのは、熱伝導率という一つの数値だけではなく、
Interface × Direction × Time
を一体として設計する考え方ではないでしょうか。
CNP由来準グラフェンを、私はそのための「熱を流す材料」ではなく、「熱の流れを設計する材料」として見ています。CO₂から生まれた炭素材料が、次世代AI半導体の熱制御に使われる。そんな未来構造があってもよいと思います。