新製品・新事業テーマの創出 ”創造力と新製品開発”
創造力とは
「国際コンペにおいて、建築のアイデアだけを武器に戦い抜くのは容易なことではない。どんなに力を注いでも、負ければゼロである。でもそのアイデアは、必ず次の建築の糧になる。そう思ってしつこく挑戦を続け、連敗の記録を更新する。真剣勝負は力量の差という現実を思い知らされることがあるので恐ろしい。しかしながら、その緊張感のなかでしか生まれないのが創造力である。」と建築の巨匠である安藤忠雄先生は2011年3月25日の日経新聞「私の履歴書」の中で述べていました。 先生は、あきらめずにいると、機が熟したときに必ず時の勝利が舞い込むものである。この寸分の一の確率の邂逅の中で、犇めくことが自分自身を高める最高の場所であるといいたいのであろうと、当時は勝手ながら理解していました。しかしながら、おおよそ10年近く経っても、安藤先生が述べたことには変わりはないと、つくづく思う次第です。
創造力と新製品開発
最近、時代の趨勢とも言うべきなのかも知れませんが、簡略化、時短、効率化など、流行の言葉に翻弄されて、それに迎合するかのように効率化という三文字に捕らわれてきました。新型コロナウィルスの影響の大きさを見たときに、まさに効率化という言い方が受け入れられるかもしれません。筆者もそう発言してきました。しかしながら、安藤先生が言われた創造力の原点とも言うべき言葉を目の当たりにしますと、改めて自身の立ち位置をしっかり見直すことが重要であると思います。新型ウイルスの影響を受けている最中ですが、真摯に創造力の原点を見ることを推奨したいと思います。