グリーンリカバリー技術 ”天然ガス価格の高騰と脱炭素化の試練”

脱炭素化のスローガン

 ロシアとウクライナ戦争の収束も見えない状況の中で、天然ガス価格の高騰が日々続いている今日です。ロシアがウクライナへ侵攻する前までは、脱炭素化というスローガンが時のブームを引起していましたが、いつの間にか、そのスローガンも下火になって、今では国においては人間の命を守るために、企業においてはエネルギーの安定供給をという大義名分を掲げ、石炭火力発電へ回帰すると言う現実を目の当たりにして、なぜ恥も外聞も無くそのように豹変することができるのだろうかと思う次第です。
 その理由について、別段難しい解釈はいらず、簡単に回答することができます。ずばり、CO2を削減させる本当の技術が存在しないからと言えます。

脱炭素化の本当の方法・技術

 仮にCO2を除去しても、その除去したCO2をどのような方法・技術を持って削減することができるのかということになります。言い換えますと、CO2を蓄積して地下に埋めるCCSという手法を用いても、それはCO2を消失させて削減することではなく、単に埋め戻しただけのことであるからです。
 本当の方法・技術は、CO2を削減するために、CO2を消失させることができるかどうかであると思います。たくさんの企業が、それぞれの国の開発費用の援助を受け、脱炭素化に向けての方法・技術の開発に励んでいるでしょうが、CO2を削減させる本当の方法・技術を開発することを本気になって実行しているのかどうか、真剣に見直してもらいたいと思います。

落合以臣

1952年10月(生) 東京都出身、英国ウェールズ大学大学院修了<br> 役職 株式会社ジョンクェルコンサルティング 代表取締役<br> 講師歴任 早稲田大学 社会科学総合学術院招聘講師<br> 顧問歴任 岩手県陸前高田市 環境浄化顧問、日本テトラポッド株式会社 技術顧問<br> <br> 1975年大手プラントメーカー千代田化工建設株式会社に入社。海外および国内の大型エネルギープラントの設計・建設に従事。1990年退社、1990年6月株式会社ジョンクェルコンサルティングを設立、現在に至る。現在では、建設案件に対応した競争入札の急所から試運転までの効率化を目指したプロジェクトマネジメントの導入、製品開発の可視化・定量化の指導、トレンド予測による製品テーマの創造、環境技術に関する開発などを実践している。<br> <br> 所属学会<br> 日本経営システム学会会員<br> 米国リスクマネジメント協会会員