グリーンイノベーション ”イランのミサイル攻撃が露わにした、カタールLNGの構造的脆弱性”

今回のイランによるミサイル攻撃は、確かに直接的な引き金です。しかしながら、カタールのLNG供給体制が抱える脆弱性は、はるか以前から存在していました。

カタールは長年、圧倒的な供給力を背景に、LNG市場で優位な立場を維持してきました。その一方で、湾岸地域の地政学的リスクは誰もが理解していたにもかかわらず、供給集中による“一点脆弱性”に対して、実質的な対策は講じられていませんでした。

世界最大級の液化設備が一箇所に集中し、代替供給源も乏しく、コンティンジェンシーも十分ではない。この構造のままでは、「いつか足をすくわれる」ことは必然でした。今回の攻撃は偶発的な事件ではなく、 長年の構造的リスクが現実化しただけです。エネルギーシステムは、 支配力や楽観ではなく、 分散・冗長性・地政学的多様性によって守られるべきものです。

今回の出来事は、 その原則を改めて突きつけたと言えるでしょう。

落合以臣

1952年10月(生) 東京都出身、英国ウェールズ大学大学院修了 役職 株式会社ジョンクェルコンサルティング 代表取締役 講師歴任 早稲田大学 社会科学総合学術院招聘講師 顧問歴任 岩手県陸前高田市 環境浄化顧問、日本テトラポッド株式会社 技術顧問 1975年大手プラントメーカー千代田化工建設株式会社に入社。海外および国内の大型エネルギープラントの設計・建設に従事。1990年退社、1990年6月株式会社ジョンクェルコンサルティングを設立、現在に至る。現在では、建設案件に対応した競争入札の急所から試運転までの効率化を目指したプロジェクトマネジメントの導入、製品開発の可視化・定量化の指導、トレンド予測による製品テーマの創造、環境技術に関する開発などを実践している。 所属学会 日本経営システム学会会員 米国リスクマネジメント協会会員