新製品開発成功のカギ ”失敗は成功の素ではなく、成功は成功の素”
新製品開発を成功に導くためには、逆説的にいえば失敗体験をたくさん積み失敗を反面教師として成功に結びつけることが重要で、いわば失敗の上に成功体験があるとよく言われますが、これには大きな間違いが潜んでいます。開発を成功させるには、成功体験を多くすることであり、具体的には新製品開発の三大要素であるQCDを守ればよいはずです。守れない新製品開発が納期遅延を起こし、品質確保が不十分な製品を世に送り出すことになります。新製品開発のQCDの関係から、赤字を出す製品開発について、計画段階と実施段階で大きな差異を生じる原因を整理してみますと、
工程管理
・計画の段階で部門間、協力会社を含めたスケジュール調整を十分実施しないことが多い。
・開発するタスクを可視化する習慣がない。
・クリティカルパスの正確な把握ができていない。
・スケジュールに変更があった場合、全体調整を行っていない。
・開発と量産現場との打合わせを綿密に行っていない。
・スケジュールのキャスティングボードは顧客が握っている。
・情報共有の必要性はわかっているが、ほとんど実行しない。
原価管理
・下請け、協力会社とのネゴが不十分である。
・進捗状況の内容をチェックせずに支払いを行う。
・顧客からの設計変更が多すぎるのに追加金が取れないことが多い。
・調達・購買・資材と開発が一体化していない。
・一方的な調達・購買・資材スケジュールを作成する。
品質管理
・人任せで自分の目で確かめない。
・一回のチェックでよしとしている。
・依頼先を訪問したことがない。
・電話・ファックス・メールを信用し裏をとらない。
・品質管理と検査との関係を知らない。
・対応・処置が遅い。
などのように表現することができます。
このようなことに鑑みても、新製品開発を成功させるためには、上記のような内容を起こさないように計画し、それらを守ることが重要であって、同じ失敗を繰返しても成功にはつながらないケースが多いと言えます。