グリーンイノベーション 補足”準グラフェン171kgの技術的意味”

今回の実装フェーズで生成を試みる171kgの準グラフェン は、半導体装置分野における評価・試作を行うには十分な量となります。以下に、その理由を整理します。

1. 半導体装置で準グラフェンが使われる典型的な用途
準グラフェンは、以下のような領域で価値を発揮します。

  • 熱拡散プレート(Heat Spreader)
  • パワーモジュールの放熱基板
  • RF・高周波部品の電磁シールド
  • 薄膜コーティング(摩耗・帯電防止)
  • 静電チャック(ESC)周辺の熱制御層

これらはすべて 薄膜〜数百ミクロンの層 で使用されるため、1部品あたりの使用量は非常に少ないのが特徴です。

2. 1部品あたりの使用量(概算)
用途別の概算は以下の通りです。

  • Heat Spreader:数グラム〜10g
  • 放熱基板:1〜5g
  • 電磁シールド材:1g以下
  • 薄膜コーティング:mg〜数百mg
  • ESC周辺の熱制御層:数g

つまり、1つの部品に使う準グラフェンは“数g以下”が一般的です。

3. 171kgが意味するもの
171kg = 171,000g

  • 仮に1部品10g使用 → 17,100個分の部品
  • 薄膜用途(1g以下) → 100,000個以上の部品

したがって、半導体装置メーカーが必要とする「評価・試作・実証」には十分すぎる量です。

4. 半導体装置メーカーが最も重視するのは“量”ではなく“再現性”
材料評価で重視されるのは次の3点です。

  1. 再現性(毎回同じ品質が出るか)
  2. 均質性(ロット間のばらつきが小さいか)
  3. プロセス適合性(熱・電気・化学的に安定か)

171kgという量は、複数ロットを製造し、再現性を検証するために十分な規模です。

5. 171kgは「実用化の入口に立つ量」
この量があれば、以下の実証が可能になります。

  • Heat Spreaderの試作
  • 放熱基板の試作
  • ESC周辺の熱制御層の評価
  • RF部品のシールド試験
  • 薄膜コーティングの実証
  • 量産前のプロセス適合性評価
  • 物性のロット間比較
  • 信頼性試験(熱サイクル・湿度・腐食)

つまり、準グラフェンが“産業用途として成立するか”を本格的に検証できる量です。

落合以臣

1952年10月(生) 東京都出身、英国ウェールズ大学大学院修了 役職 株式会社ジョンクェルコンサルティング 代表取締役 講師歴任 早稲田大学 社会科学総合学術院招聘講師 顧問歴任 岩手県陸前高田市 環境浄化顧問、日本テトラポッド株式会社 技術顧問 1975年大手プラントメーカー千代田化工建設株式会社に入社。海外および国内の大型エネルギープラントの設計・建設に従事。1990年退社、1990年6月株式会社ジョンクェルコンサルティングを設立、現在に至る。現在では、建設案件に対応した競争入札の急所から試運転までの効率化を目指したプロジェクトマネジメントの導入、製品開発の可視化・定量化の指導、トレンド予測による製品テーマの創造、環境技術に関する開発などを実践している。 所属学会 日本経営システム学会会員 米国リスクマネジメント協会会員