グリーンイノベーション ”究極のエラストマー”

材料科学における「究極のエラストマー」とは、単に柔らかく、よく伸びる材料のことではありません。それは、外乱を吸収し、応力を再配分し、破断することなく平衡へ戻る“構造”そのものを指します。
エラストマーとは、本質的にはレジリエンスの哲学です。

その性能を決めるのは、バルク材料ではなく、界面アーキテクチャ です。フィラー、ポリマー、微細ドメインの境界で、エネルギーがどのように流れ、どのように散逸するのか。この“見えない境界”が設計されて初めて、材料は物質ではなく システム として振る舞います。

究極のエラストマーは、従来の意味で「強い」わけではありません。それは 適応的 です。曲がっても折れず、エネルギーを散らしながら構造を保ち、外力を内部秩序へと変換する。その性能は、質量ではなく 微細構造の配置 によって立ち上がります。

経済・環境・地政学が揺れ続ける世界では、私たちはしばしば“硬さ”に強さを求めます。しかしながら材料科学は、逆のことを教えてくれます。レジリエンスとは、硬い壁ではなく、設計された界面から生まれる。

これからの先進エラストマーは、反応経路、欠陥構造、三相界面の動的挙動をどこまで精密に制御できるかで決まります。その先には、界面工学による新しい材料システム が、性能の意味そのものを更新していく未来があります。

壊れない材料から、壊れないシステムのヒントが生まれる。
材料科学は、いつも静かにそのことを教えてくれます。

落合以臣

1952年10月(生) 東京都出身、英国ウェールズ大学大学院修了 役職 株式会社ジョンクェルコンサルティング 代表取締役 講師歴任 早稲田大学 社会科学総合学術院招聘講師 顧問歴任 岩手県陸前高田市 環境浄化顧問、日本テトラポッド株式会社 技術顧問 1975年大手プラントメーカー千代田化工建設株式会社に入社。海外および国内の大型エネルギープラントの設計・建設に従事。1990年退社、1990年6月株式会社ジョンクェルコンサルティングを設立、現在に至る。現在では、建設案件に対応した競争入札の急所から試運転までの効率化を目指したプロジェクトマネジメントの導入、製品開発の可視化・定量化の指導、トレンド予測による製品テーマの創造、環境技術に関する開発などを実践している。 所属学会 日本経営システム学会会員 米国リスクマネジメント協会会員