グリーンイノベーション ”CNP由来の準グラフェンー界面制御と最適な閾値設定”

材料開発において、これまでは「性能を最大化すること」が一つの目標でした。                
より高強度に。
より高純度に。
より高機能に。

しかしながら最近、私は少し違う考え方をするようになりました。重要なのは100%を目指すことではなく、「どの状態で材料が機能し始めるのか」という閾値を見出すことではないかと考えています。現在取り組んでいるCNP由来の準グラフェンも同様です。準グラフェンは単独で存在するのではなく、さまざまな材料との界面において機能を発現します。そのため本質的な課題は、準グラフェンをどれだけ増やすかではなく、準グラフェンが界面で機能し始める最適な状態はどこかを理解することにあるように思います。

例えば、

  • 添加量
  • 分散状態
  • 界面構造
  • 温度条件
  • 反応時間

これらにはそれぞれ閾値が存在する可能性があります。閾値を超えると期待した機能が発現し、閾値を下回ると十分な効果が得られない。この考え方は材料開発だけではありません。エネルギー、インフラ、地域構想、さらには社会そのものにおいても、「何を最大化するか」から「どこで状態変化が起こるのか」へ視点が移りつつあるように感じます。

私はこれを、“Threshold-based Design”あるいは“Threshold-based Social Design”として整理できるのではないかと考えています。準グラフェンの界面制御もまた、性能競争ではなく、最適な閾値を見つける挑戦なのかもしれません。

落合以臣

1952年10月(生) 東京都出身、英国ウェールズ大学大学院修了 役職 株式会社ジョンクェルコンサルティング 代表取締役 講師歴任 早稲田大学 社会科学総合学術院招聘講師 顧問歴任 岩手県陸前高田市 環境浄化顧問、日本テトラポッド株式会社 技術顧問 1975年大手プラントメーカー千代田化工建設株式会社に入社。海外および国内の大型エネルギープラントの設計・建設に従事。1990年退社、1990年6月株式会社ジョンクェルコンサルティングを設立、現在に至る。現在では、建設案件に対応した競争入札の急所から試運転までの効率化を目指したプロジェクトマネジメントの導入、製品開発の可視化・定量化の指導、トレンド予測による製品テーマの創造、環境技術に関する開発などを実践している。 所属学会 日本経営システム学会会員 米国リスクマネジメント協会会員