新製品開発成功のカギ ”研究開発のマネジメントはWhatから始まるのではなくWhyから始まる”

 研究開発のマネジメントは、概略的に述べればWhy→What→ How→分析解析結果の統合などの順に行なうのが効率的であると言えます。Whyは経営ビジョン、コアビジョンに相当し、問題意識を可視化して明確化を行います。Whatは研究目的に相当し、Whyで可視化された経営ビジョン、コアビジョンの意思決定を行います。Howはどのような技術を使うかの探索に相当し、実証研究を行います。研究開発マネジメントのプロセスの中で重要なことは、Howの実証研究から実用化研究に向けてのディシジョンボックス、つまり暗黙知をどのように形式化して製品化へ連動させるのかです。Howの技術探索の精度を上げるためには、 Howに連動させるWhat、Whyを明確にしておくことが前提条件になります。
 ところが、暗黙知を形式化するときに100%的中した技術を選定することが難しいため、Why→What→How→What→Whyの循環を繰り返して行なうことも想定しなければなりません。この繰返しを行いながら段々収束の方向へと進めることが肝要で、目先の成果を得ようとするマネジメントではかえって発散することになってしまいます。
 経営者の多くは短期的な視野で研究開発を見ているために、研究開発のマネジメントに携わるマネジャーはどうしても経営者との間に相反することが多くなります。したがって、研究開発におけるマネジメントは、暗黙知を形式化するスキルまたは支援体制を構築できるかが要となります。
 このように、暗黙知を形式化するためには、Whatから始まるのではなくWhyから始まることになります。

落合以臣

1952年10月(生) 東京都出身、英国ウェールズ大学大学院修了 役職 株式会社ジョンクェルコンサルティング 代表取締役 講師歴任 早稲田大学 社会科学総合学術院招聘講師 顧問歴任 岩手県陸前高田市 環境浄化顧問、日本テトラポッド株式会社 技術顧問 1975年大手プラントメーカー千代田化工建設株式会社に入社。海外および国内の大型エネルギープラントの設計・建設に従事。1990年退社、1990年6月株式会社ジョンクェルコンサルティングを設立、現在に至る。現在では、建設案件に対応した競争入札の急所から試運転までの効率化を目指したプロジェクトマネジメントの導入、製品開発の可視化・定量化の指導、トレンド予測による製品テーマの創造、環境技術に関する開発などを実践している。 所属学会 日本経営システム学会会員 米国リスクマネジメント協会会員