グリーンリカバリー技術 ”化石賞からクリーン大国への大変身”

COPと化石賞

 第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)の閉幕に際して、 当時の小泉進次郎環境相が化石賞という奇妙な賞を手渡されたのを思い出します。我が国は、戦後前例のない経済発展を遂げ、先進国ではいまだにGDP3位の座を守っています。そうした目覚ましいい発展とは裏腹に、いろいろな国から羨望の眼差しが、いつの間にかジェラシーに変り、何かにつけて難癖をつけられることも事実です。それだけ、我が国は強大になったとも言えます。しかしながら、ここ30年国力が落ちてきたことも正直に認めざる得ないでしょう。
 こうした事情の中で、地球温暖化への対応を推し進めているのにも関わらず、化石賞のような国をあざ笑う賞状を頂くはめになったわけです。特に、EUはさして脱炭素化に向けたプロパガンダが上手なために、二酸化炭素の排出量が増加しているにも関わらず、クリーンな国としての位置づけになっています。誠に残念な成り行きです。

化石賞からクリーン大国への大変身

 しかしながら、ここにきて長い時間をかけて開発してきた二酸化炭素をゼロにする技術が完成し、これから実証に入るらしいという噂が舞い込んできました。どこで実証を実施するのかは別にして、この技術が本格的に稼働すれば、まさに我が国は、化石賞から本当のクリーン大国への大変身を果たすことになるでしょう。
 その技術が、日本の国力を高め、世界貢献へと発展することができれば、禍を転じて福と成すことになるでしょう。期待したいと思います。

落合以臣

1952年10月(生) 東京都出身、英国ウェールズ大学大学院修了<br> 役職 株式会社ジョンクェルコンサルティング 代表取締役<br> 講師歴任 早稲田大学 社会科学総合学術院招聘講師<br> 顧問歴任 岩手県陸前高田市 環境浄化顧問、日本テトラポッド株式会社 技術顧問<br> <br> 1975年大手プラントメーカー千代田化工建設株式会社に入社。海外および国内の大型エネルギープラントの設計・建設に従事。1990年退社、1990年6月株式会社ジョンクェルコンサルティングを設立、現在に至る。現在では、建設案件に対応した競争入札の急所から試運転までの効率化を目指したプロジェクトマネジメントの導入、製品開発の可視化・定量化の指導、トレンド予測による製品テーマの創造、環境技術に関する開発などを実践している。<br> <br> 所属学会<br> 日本経営システム学会会員<br> 米国リスクマネジメント協会会員