EU型脱炭素の失敗を越えて ”日本のエネルギー構造を再定義する”

日本の脱炭素は、これから本格的な再設計が必要になります。 その理由の一つは、EUがこの10年で経験した 「脱炭素の構造的な失敗」が、我々に多くの示唆を与えるからです。
EUでは、

  • 再エネ偏重
  • 水素・アンモニアへの過度な期待
  • 原子力の不安定化
  • 系統投資の遅れ
  • 柔軟性(flexibility)の不足

これらが重なり、 熱波や寒波のたびに電力価格が急騰する構造 が生まれました。
日本が同じ道を歩まないためには、「何を増やすか」ではなく、「どんなエネルギー構造をつくるか」 を先に決める必要があります。

我々が目指すべきは、 “静かな反応場を持つエネルギーシステム” です。
そのための柱は、次の3つです。

  • 安定したベース電源(原子力・高効率ガス火力)
  • 変動電源の統合設計(太陽光・風力・需要側制御)
  • 系統・市場・デジタルの一体運用(エネルギーOS)

さらに、AIデータセンターの拡大は、 新しい電力需要であると同時に、 需給調整の“静かなバッファ” としても機能します。日本の脱炭素は、 EUの失敗を批判するのではなく、 構造を学び、未来を再定義すること から始まります。

落合以臣

1952年10月(生) 東京都出身、英国ウェールズ大学大学院修了 役職 株式会社ジョンクェルコンサルティング 代表取締役 講師歴任 早稲田大学 社会科学総合学術院招聘講師 顧問歴任 岩手県陸前高田市 環境浄化顧問、日本テトラポッド株式会社 技術顧問 1975年大手プラントメーカー千代田化工建設株式会社に入社。海外および国内の大型エネルギープラントの設計・建設に従事。1990年退社、1990年6月株式会社ジョンクェルコンサルティングを設立、現在に至る。現在では、建設案件に対応した競争入札の急所から試運転までの効率化を目指したプロジェクトマネジメントの導入、製品開発の可視化・定量化の指導、トレンド予測による製品テーマの創造、環境技術に関する開発などを実践している。 所属学会 日本経営システム学会会員 米国リスクマネジメント協会会員