新製品開発成功のカギ ”研究目標とコア技術”
研究目標を新製品と連動して考える場合、いくら研究目標を明確にできても、基本となるコア技術を持っていなければ、研究目標を具体化することは難しいといえます。なぜならば、基本技術が用意されていなければ、開発のプロセスも構築できないし、技術評価もできないからです。さらには、研究開発の投資規模の算定、定量的なリスク評価などもできないことも要因に挙げられます。
こうしたことを乗り越えて、研究目標のコアとなる技術がOnly Oneを目指したものなのか、First Oneを目指したものなのかによって、市場の占有率と期間が大きくことなります。First Oneを目指した技術は、技術開発の過程でよく起こる暗黙知を形式化、別の言い方では設計化することに成功したもので、その企業の持つ本流技術を製品化したものです。一方、Only Oneを目指した技術は、匠の技をコア技術(質)とし製品及び/製造ノウ・ハウをブラックボックス化した製品となります。Only One技術を持つことによって、市場を長く占有できるといわれています。このOnly Oneの代表的な製品は、皆様おなじみのウィンドウズです。Only One技術は、ブラックボックス化して保有することが多いために、特許も取得しません。したがって、技術を模倣されることもありません。これを、事実上の特許、つまりディファクトスタンダートと言います。
このように、新製品開発にはいかに基本となるコア技術が重要であるかがわかるはずです。言い換えますと、新製品開発の基本はコア技術であり、コア技術は研究目標と強く連携することになります。もちろん、コア技術は実用化研究と連動して行なわなければ、その優位性を評価することはできません。