新製品開発の可視化・定量的リスク評価 “念には知恵を入れたリスク評価”
新製品開発をスタートさせるとき、経験者であれば今まで体に染みついた経験を通して、どのような部分を新たに開発しなければならないのか、それをどのような方法で解決したらよいのかなどを考えるはずです。当たり前のことと言えば当たり前のことですが、その当たり前のことが、開発現場では出来ない状況に陥っているということをお伝えしたいと思います。
白物家電を例にとりますと、約30年前のランドリーの部品数はおおよそ700点、現在では約2500~3000点に増加しております。この背景には、ソフトウェアーを媒体とした機能が爆発的に増加したために、その具体化するための機能も比例して増加した結果と言えます。この状況に短納期という重荷が加わり、開発担当者は疲弊している、あるいは気の毒であるといった方が適当かも知れません。
このように言われ続けて、すでに20年を経過しています。この状況を打破するひとつの解決策として、念には知恵を入れたリスク評価をお勧めしたいと思います。知恵は、物事の道理を判断し処理していく心の働きだそうです。また、物事の筋道を立て、計画し、正しく処理していく能力とも言われます。それらの部分に焦点を当てますと、物事の筋道を立て、計画し、正しく処理していくためには、道筋を立てるための目標が必要になります。新製品開発では、この目標を開発テーマと位置付けますと、開発テーマが明確になっていれば、開発のスタートからゴールまでのリスクを可視化し、その対応策を講じることができるはずです。念には開発テーマ(知恵)を入れたリスク評価と言えるのではないでしょうか。