新製品・新事業テーマの創出 ”開発スケジュールの遅れとテーマ創造”
新製品の成功例
製品開発が効率よく実施できた成功例の主な要因を整理しますと、
① 早い時期に開発テーマを反映したモックの製作をしたので、経営者が思
いつきの機能の追加を要求しなかった。
② 販売先にモックによる説明を行ったために無理な要求もなく、また、好印
象を与えたことで、予約販売数量が伸びた。
③ 競争が優位になりある期間売価が下がらなかった。
④ 短納期を満たした。
⑤ 直材費の必要以上の圧縮が不要であった。
⑥ 作業の短縮化が出来た分、品質確保に十分な時間を費やせた。
⑦ 他社の動向を気にする必要がなかった。
⑧ 開発者のやる気が形成された。
などが上げられます。
上記の8つの項目は、ほんの一部の見解ですが、要約しますと「開発における訴求テーマを組織的に確保することで、製品技術、製造技術などの長期的開発と製品開発を同期化する素地が形成できた。」ということに尽きるのではないかと思います。
新製品開発スケジュール遅れの主因
開発スケジュールの遅れの要因は、上げたらきりがないほどたくさんありますが、主因となりますと開発テーマの決め方に問題を生じていると言えます。それは、他社の動向を察知することは重要なことではありますが、察知するという行動がいつも間にか、その罠に誘い込まれ、もっと待ってみよう、もっといいものがあるかもしれないという言葉に入れ替わり、自社で決めなければならないはずの開発テーマを、結果的に遅らせてしまうことになるからです。
こうしたことに鑑みますと、開発スケジュールの遅れの主因は、テーマ創出を怠るがゆえに起こる必然的な成り行きと言えます。したがって、5年先、10年先をニュートラルな視点で見据えた世情から、垣間見えるテーマを創造することは、開発スケジュールを守る基本であると言えます。