新製品・新事業テーマの創出 ”テーマ創造と上市”

テーマの意味合い

 新型コロナウィルスの影響が論じられる前までは、テーマ創造という言葉自体、耳に入らなくなったように思いました。しかしながら、収束感がやや感じ始めた昨今は、にわかにテーマ創造の期待が生れつつあると言えます。この現象は、新型コロナウィルス攻略の一手は、マスクであったと言えるからでしょうか。これほどまでに成熟した社会構造の中で、我よ我よと競ってマスクを買いあさったわけです。後は、密を避けるという行動でしょうか。ふっと一息入れますと、新型コロナウィルスに対してはいずれもローテクしか、その効力を発揮することができなかったと言えます。
 こうしたことに鑑みますと、人類が遭遇するクライシスに対しては、それに対抗する技術的な手段は無いと言っても過言ではないかも知れません。そうなりますと、限りなく進化を追う新製品のテーマの持つ意味は、いったい何なのだろうかという素朴な疑問を持ちます。新製品は、文明をリードさせていくものではなく、人類の満足度を極限まで追い求めるという言い方が適当かも知れません。

テーマ創造と未知の世界

 少し早い言い方になりますが、新型コロナウィルスを教訓としたテーマ創造とはとの問いに対して、その答えはその製品の価値を磨き出すことであって、あれもできますこれもできますということではないと言えます。つまり、機能の再整理とでも言いましょうか。再整理した機能に、5年、10年先の世情をニュートラルな視点で垣間見て、そこからテーマを見出し、機能へと落し込むことが必要であると言えるのではないでしょか。

落合以臣

1952年10月(生) 東京都出身、英国ウェールズ大学大学院修了<br> 役職 株式会社ジョンクェルコンサルティング 代表取締役<br> 講師歴任 早稲田大学 社会科学総合学術院招聘講師<br> 顧問歴任 岩手県陸前高田市 環境浄化顧問、日本テトラポッド株式会社 技術顧問<br> <br> 1975年大手プラントメーカー千代田化工建設株式会社に入社。海外および国内の大型エネルギープラントの設計・建設に従事。1990年退社、1990年6月株式会社ジョンクェルコンサルティングを設立、現在に至る。現在では、建設案件に対応した競争入札の急所から試運転までの効率化を目指したプロジェクトマネジメントの導入、製品開発の可視化・定量化の指導、トレンド予測による製品テーマの創造、環境技術に関する開発などを実践している。<br> <br> 所属学会<br> 日本経営システム学会会員<br> 米国リスクマネジメント協会会員