新製品・新事業テーマの創出(環境修復・技術テーマの創出) ”自己修復と環境”
自己修復とは?
自己修復(ダメージコントロール)研究会は、米国イリノイ大学航空宇宙工学のIllini教授によって、2005年に設立されました。 当時、ヒーリング剤を含有する微細なカプセルを有するポリマーをプラスティック材に埋込、そのプラスティック材が何かの衝撃を受けてクラックを生じたときに、同時にポリマーが割れて薬剤がこぼれ、その材料にあらかじめ埋め込まれた触媒と反応させて、プラスティック材を自動的に修復させるという方法を発表しました。クラックは、元の強度の約75%を保持していたという結果でした。まさに、自己修復の幕開けと言われたほどセンセーショナルな出来事でした。今では、高級車の表面塗装に採用され、刃物で付けた傷程度であれば、いつ間にか修復されるようになっています。
自己修復と環境
新型コロナウィルスの影響で、一時は環境汚染が減ったと言われましたが、それもつかの間の出来事で、経済が動き出せば瞬く間に環境汚染が広がります。そうなれば、経済を上向きにすることを優先して考えることを大義名分に掲げ、環境汚染なんかなんのそのという見解が大勢を占めるようになるでしょう。
ある意味では、環境修復も自己修復も修復という観点からは同じ位置にいると思います。本来であれば、Illini教授が発案したようなカプセルを環境汚染を引き起こすところに埋込、汚染が発生すると同時に自己修復によって修復されるような仕組みが出来上がれば、環境、環境と騒ぐ必要が無くなってくるのではないでしょうか。