新製品・新事業テーマの創出 ”未曽有の危機を乗越えるDX戦略”
米国の制裁とサプライチェーンの崩壊
米国による中国への数々の制裁発動は、新型コロナウイルスの影響と相まって 9月15日を境に、中国を中心としたサプライチェーンへ大きな打撃を与えたことは事実です。こうなることは、2020年初頭に分かっていたことですが、多くの人々、企業は、「そうは言っても、中国に本当の制裁を課せば、大きな打撃を受けるのは中国だけでなく、米国も同等になるので、制裁発動前に米中が互いに歩み寄り、何かの和解策が出るだろう」という、人間の根底にある「だろう」型DNAに安心感を委ね、ほとんど何の手立ても講じてこなかったと言っても過言ではないでしょう。
しかしながら、9月15日以降、確実にHuaweiへ提供する半導体は禁止され、それまで高を括っていた企業は、米国国務省へ慌てて輸出許可を求めるという、極めて脆弱な企業体質を露呈したと言えます。
こうした制裁状況は、今後も続くとみることが現実で、1ヵ月を切った米国大統領選に向けて、益々拍車がかかると思うのが、自然の成り行きと思います。
未曽有の危機を乗越えるDX戦略
ものつくり論として考えた場合、このようなかつて経験したことのない未曽有の危機を、どのような方法を持ってすれば、乗越えることができるのでしょうか。その答えは、まさに『DXを飲み込んだテーマ創造』であると言い切ることができます。なぜならば、今までの経験則では対応できない事態に遭遇したからです。
テーマ創造は、予測的因子を情報として取り入れ、その情報をもとに5年先、10年先をニュートラルな視点で捉える方法で、約20年前から企業へ提供してきました。しかしながら、世界的なサプライチェーン崩壊を目の当たりにしますと、テーマ創造だけでは十分な対応ができないことに気づきました。
こうした課題を克服するために、ある金型製作企業に、顧客からの膨大な設計変更内容を整理し、それをDX化してもらい、創造したテーマにそのDX化したデータを取入れたところ、今まで以上に「売れる製品・商品」に仕上がることを確認いたしました。