新製品・新事業テーマの創出 ”強い新製品の創造と製品価値”(新型コロナウイルスの影響を超えて)
トレンド予測から新製品価値評価
顧客ニーズ、競合企業、社会構造の変化など、種々な要素によって市場経済が成り立っていることは言うまでもありませんが、ここに来て新型コロナウィルスの影響を受けて、世界経済がドラスティックな変換を余儀なくされています。企業においては市場に適応するために、自社製品の価値を新たな目で見極め、適切な形に変化させていく必要性が改めて出てきていると言っても過言ではないでしょう。
こうした状況の中で、製品価値を高め、他社との差別化を図る新たなマーケティング戦略が必要とされています。新たなマーケティング戦略とは、数年先をトレンド予測によって、ニュートラルな視点で世情を把握し、そこから新製品の持つ価値、ここでは「未来の市場ニーズ」、「参入市場」、「新製品価値」を分析し、新型コロナウイルスの収束後の市場に投入する強い新製品開発コンセプトへつなげる3つの視点であると言えます。
未来の市場ニーズは、過去の情報・データではなく、未来の情報・データを予測して、そこから世情を垣間見ることによって、市場ニーズを把握し新製品の立ち位置を決める方法です。言い換えますと、未来DX戦略とも言いましょうか。
参入市場は、従来の企業が守ってきた領域、つまり企業市場とでも言いましょうか、自社で決めてきた市場領域をトレンド予測の視点から見直し、未来の情報・データを見ることによって市場規模を掴み、今までの境界を思い切って超える意思決定をするということです。つまり、旧態依然とした市場に執着せず、新天地を求めて離陸するということです。
新製品価値は、競合他社と自社との差別化の領域で、「参入市場」に対する競合他社との分析を行うことになります。つまり、その新製品の持つ価値イコール機能を冷ややかな視点で見直し、その製品の価値(位置付け)を明確にすることです。
強い新製品の創造と製品価値
強い新製品とは、トレンド予測から未来の市場ニーズ、参入市場を把握し、既存の製品、あるいは新製品の価値評価を行ったうえで、新製品開発のコンセプトを作成することになります。主な企業の約95%の売上は改良・改善型製品に依存していると言われます。かと言って、未踏の地を歩くような新製品開発は大きな危険を背負います。
こうしたことに鑑みますと、一番重要なことは新製品開発だけをターゲットとするのではなく、既存製品の価値評価をしたうえで、新製品の位置付けを行うことであると言えます。なぜならば、基本となる技術そのものが、Only oneなのか、First oneなのかによって、製品価値が大きく変わるからです。