新製品・新事業のテーマ創出 ”意思決定と人間力の回復”
企業運営の性(さが)
企業運営における意思決定は、現況の様(さま)を考えますと、以前にも増して重要な位置付けになっていると思います。COVID-19によって、経済だけでなく人間としての尊厳までも奪われる、そんな世情にかわったしまったと言っても過言ではないでしょう。
こうしたカタストロフィックな時期に、新製品開発あるいは新事業について、あるべき論をあれこれ述べたところでどうにもならないというのが本音なのかも知れません。しかしながら、企業運営の流れはそうした悲惨な状況をよそに脈々と続いています。言い換えますと、企業運営はどのような状況に遭遇しようが容赦はしてくれないということです。
意思決定と人間力の回復
だからと言って、その「つけ」を誰にも負わすことができず、自ら意思決定をしなければならないという、ある意味では宿命を持っていると言わざるを得ません。では、こういう悲惨な時期での意思決定とはどのようなことを指しているのでしょうか。それは、今まで培ってきた製品、事業などを通して蓄積してきた実績を背景にした「人間力」であると言えます。ところが、在宅勤務の励行という名のもとに、人間力を一散させてしまったために、その人間力が弱体化してしまったと言っても過言ではないでしょう。だからと言って、COVID-19が到来する前の状況に戻せば人間力が回復するかと言えば、そうはならないでしょう。
では、どのような方法を講じれば良いのでしょうか。それは、一散させた人々をブロック化し、それを小集団活動と名付け、そこに目的を課すあるいは新たにその小集団で作らせるということが、新たな時代に向けての組織体制と言えます。この体制を作り上げるための意思決定を行う総指揮者は、企業運営の長であると言いたいところですが、そうではなく小集団活動をまとめるブロック化グループ長とでも言いましょうか、その人が新たな意思決定の人間像と言えます。