ジョンクェルコンサルティング [Jonquil Consulting Inc.] ジョンクェルコンサルティング [Jonquil Consulting Inc.]

新製品・新事業テーマの創出 ”COVID-19収束後の新製品開発”

DX化とセル生産方式への回帰

 ニュートラルな視点でのトレンド予測から、COVID-19の収束後の消費者ニーズを見ますと、しばらくは小規模社会・組織の台頭と考えられ、この世情から創造できるテーマは、少なくともマス社会で形成された大量生産から生まれる製品では対応できないのではないかと思います。
 この要因を満足させるためには、消費者ニーズを優先し多品種少量や変種変量といった需要の変化に対応するフレキシビリティを持った生産ラインの構築が必要と思われます。これを達成するためには、古典的な方法ではありますが、一部セル生産方式に回帰することが考えられます。セル生産方式は、屋台方式とも呼ばれひとりや少人数単位で組み立てを行う生産方式であることは周知の通りです。しかしながら、従来のセル生産方式では、多元・多様化した消費者ニーズには製品供給が間に合わないのではと思います。したがって、異なる製品を扱えるセル生産方式、つまりDX化したセル生産方式がひとつの解決策になり得るのではないだろうかと思う次第です。
 その場合、生産される個数は数千個の範囲にとどまり、マス生産のようにコストダウンを追及することはできにくいでしょう。また、現在の量販店での販売方式には当てはまらないかもしれません。しかしながら、ニュートラルな視点でのトレンド予測から世情を把握し、消費者ニーズを先取りした製品であれば、コストダウン競争に引き込まれることなく、適正価格の製品を作り出すことができるはずです。

COVID-19収束後の新製品開発 

 このようなことに鑑みますと、マス生産から小規模生産への一部転換は、製品開発そのものの考え方、販売方法、広告宣伝方法などを少なくとも根本から変える起爆剤になるのではないでしょうか。ここ20年、日本の製品開発はQCDを追及しながら、実はDを守るためにQとCを犠牲にしてきたといっても過言ではないでしょう。また、開発現場では過酷な開発を余儀なくされ、心身共に疲弊しているともいえます。
 こうした状況の中で、強い製品を作り出すためには、開発エンジニアのモチベーションを高めることが重要であり、その動機付けがテーマ創造から製品開発へと連動し小規模生産への転換をさせることであると思われます。

落合以臣

1952年10月(生) 東京都出身、英国ウェールズ大学大学院修了
役職 株式会社ジョンクェルコンサルティング 代表取締役
講師歴任 早稲田大学 社会科学総合学術院招聘講師
顧問歴任 岩手県陸前高田市 環境浄化顧問、日本テトラポッド株式会社 技術顧問

1975年大手プラントメーカー千代田化工建設株式会社に入社。海外および国内の大型エネルギープラントの設計・建設に従事。1990年退社、1990年6月株式会社ジョンクェルコンサルティングを設立、現在に至る。現在では、建設案件に対応した競争入札の急所から試運転までの効率化を目指したプロジェクトマネジメントの導入、製品開発の可視化・定量化の指導、トレンド予測による製品テーマの創造、環境技術に関する開発などを実践している。

所属学会
日本経営システム学会会員
米国リスクマネジメント協会会員

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