グリーンリカバリー技術 ”Nord Stream 2と脱炭素化”
Nord Stream及びStream2の現状
2005年から開始されたNord Streamは、バルト海底を経由してロシアとドイツ間をつなぐ天然ガスのパイプラインであることは周知の通りです。建設費用の総額は、海底部、陸部合わせて約1兆4500億円、2011年11月8日に稼働しすでに10年にわたって、ロシアからドイツへ天然ガスが供給されています。そのNord Streamに引続きNord Stream 2へと展開し、順調であれば2022年1月に稼働する予定でしたが、ウクライナクライシスをきっかけに、米国がロシアに課した経済制裁によってストップさせられ、また、Nord Streamそのものも昨年から天然ガスの供給が、ほぼストップしている状態であると言えます。
Nord Stream 2と脱炭素化
一変して考えてみますと、ドイツはいち早くクリーンエネルギーを国家戦略として掲げ、石炭火力、原子力を廃止した国でした。しかしながら、Nord Stream 及びStream 2のストップと2021年5月頃から高騰した天然ガス価格によって、フランスと同様に石炭火力及び原子力発電への回帰を言い始めています。
こうしたことに鑑みますと、エネルギーの安定供給を維持しながら脱炭素化を着実に推し進めるためには、クリーンエネルギーを大義名分として掲げるのではなく、どのような状況に置かれても脱炭素化を実行できる技術が重要になるのではないでしょうか。つまり、二酸化炭素を消失させる技術であると言えます。