新製品開発の可視化・定量的リスク評価 “果報は練って待て”
新製品開発で、必ずと言っても良いほど、工程が押し詰まった段階でリスクが露呈します。この現象は、今や開発現場では日常茶飯事に起きているために、体で受け止める人が少ないと言えます。しかしながら、昨今の自動車業界におけるリコールのように、年々リスクが増大していることも事実です。
確かに30年前と今では開発内容も高度化し、現象をシミュレーションに置き換えることができ難くなったので、事前にリスクを予測できないという状況でしょうか。ある意味では、製品価値が人間の取り扱う能力を超えたために、開発行為がそれに追いついていけない状況を呈しているようにも考えられます。
こうなりますと、リスクそのものの捉え方を改めることが必要になっていると思います。古くは、果報は寝て待てという諺があります。「寝て待て」といっても、怠けていれば良いという意味ではなく、人事を尽くした後は気長に良い知らせを待つしかないということだそうです。ただ、気長に良い知らせを待つことはできないでしょう。したがって、一度考えた計画や何かを何度も何度も何度も見直して考える事の方が、リスクの抽出には適切と思います。つまり、「果報は寝て待て」ではなく「果報は練って待て」のように思います。